あれは初めてのデートの帰り道だったね。
駅の近くまできたとき、キミは突然、駆け出したんだ。
「あっ、猫がいる」と言って。
小さな駐車場の前に三毛猫がちょこんと座っていた。
「このコ、首輪してないね。野良猫かな。かわいいね」
三毛猫はキミのことをじっと見つめている。
その頭をキミがなでようとしたとき
手を振り払うようにひっかいたんだ。
「痛いっ・・・」
「こらっ!」
ボクが三毛猫に向かって一歩足を踏み出すと
キミは「怒らないで」と言ったんだよ。
「かわいいからって頭をなでようとした私が悪いんだから」
ひっかき傷のついた左手の甲を押さえながら三毛猫をかばったんだ。
三毛猫はボクの怒鳴り声に驚いて少し逃げたところにいる。
その三毛猫を見つめながらキミは
「急に手を伸ばしたから怖かったんだよね。
きっと誰かに叩かれたことがあるんだよね。
お姉ちゃんは叩いたりしないから、今度はなでさせてね」
と優しく話しかけていた。
その姿を見てボクは思ったんだ。
「この人と結婚したいな」って。
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